「分からない」を考えよう! #19

生徒たちの「分からない」を取り上げて考えていきます。


解き方が分からない前提で「どんな風に考えて解いていくか」という過程を書いていくので、ぜひご自身でも解き方を考えながら読み進めてみてください。

 


今回は、とある中学の「2年 1学期 期末テスト」で出題された、数学 (連立方程式) の問題です。

 

問題

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この学校の期末テスト (2年 数学) の問題の中では、これが一番難しかったんじゃないかな、と思います。式を立てて連立方程式で解いて x , y を求める、といったシンプルな構成の問題ではないですね。

 

けど、やってみると意外と簡単に解けてしまいます。

 

 

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まずは情報の整理から。

 

 ①「n」は 3ケタの自然数、一の位は 8 である。

 ②「n」は "百の位の数" と "十の位の数" と "一の位の数" の和の 28倍と等しい。

 

この条件を満たす「n」を求めればいいわけですね。また、わざわざ問題文に「すべて」と記載し下線で強調していることから「n」は複数ある可能性が高いです。

 

ということで、上記 2点から数式を書いていきます。

 

自然数「n」の 3ケタの数字のうち "百の位の数" と "十の位の数"が分からないので、

 

 百の位の数 → x とする

 十の位の数 → y とする

 

 ①「n」は 3ケタの自然数、一の位は 8 である。

 

   n = 100x + 10y + 8 ・・・ ①

 

 ②「n」は "百の位の数" と "十の位の数" と "一の位の数" の和の 28倍と等しい。

 

   n = (x + y + 8) × 28 ・・・ ②

 

このように、問題文の記述から 2つの方程式を書くことができる。この時点でそれぞれの方程式に含まれる文字は 3つずつあるので、このままでは解くことはできません。けれど、どちらも「n」を表した式なので①の右辺を②の左辺に代入し一つにまとめることにします。

 

 100x + 10y + 8 = (x + y + 8) × 28 ・・・ ③

 

これで式に含まれる文字を一つ減らすことができました。それでもこの式を解いて x , y を求めることはできません。

 

けれどもし x , y のうちどちらかの値が決まってしまえば、残りの文字の値も求めることができますね。だったら決めてしまえばいい、というのがこの問題を解くカギになります。

 

x と y に当てはまる可能性のある数字について考えます。

 

それぞれ 3ケタの整数の "百の位の数" と "十の位の数"を表している、ということは当てはまる可能性があるのはどちらも「ひとケタの整数」ということになります。

 

また、"百の位の数"の方には「0」は当てはまらない (たとえば「018」だと 2ケタの自然数になってしまうから) ということも分かります。

 

つまり、

 

 x = 1,2,3,4,5,6,7,8,9

 y = 0,1,2,3,4,5,6,7,8,9

 

それぞれの解はこれらの数字だけに絞ることができる、ということ。

 

あとは式③に順に代入し条件に当てはまる組み合わせを探れば解くことができそうです。たとえば、x=1 のときの y の値を求める、x=2 のときの y の値を求める、といった感じです。

 

そこでまずは式③を整理します。

 

 100x + 10y + 8 = (x + y + 8) × 28

 100x + 10y + 8 = 28x + 28y + 224

 50x + 5y + 4 = 14x + 14y + 112

 50x - 14x + 4 -112 = 14y - 5y

 36x - 108 = 9y

 4x - 12 = y

 

 y = 4 ( x - 3 ) ・・・ ③´

 

この式に x の値を代入し、条件に合う組み合わせを考えます。

 

まず ( x - 3 ) ですが、この計算がマイナスになる x の値は NG になります。理由は y の値がマイナスになるから。

 

ということで x = 1,2 は除外。考えるのは x = 3 からで良さそうです。ということで計算していくと、

 

 x = 3 のとき y = 0

 x = 4 のとき y = 4

 x = 5 のとき y = 8

 

これ以降は y の値が 2ケタとなり条件に合わなくなるため、文字の値として適当なのはこの 3通りだけということになります。

 

よって求める解、3ケタの自然数 n は、

 

A. n = 308, 448, 588

 

 

 

いかがでしたでしょうか。一見、解き方も分からない難しそうな問題かもしれませんが、一つひとつ順に考えていけば意外と簡単に解くことができます。

 

問題を見て「難しい」「分からない」と思ったとしても、とりあえず分かるところからやってみる、とりあえず問題文から式を考え立ててみる。頭の中で考えるだけではなく、まずはできることから、とりあえずペンを持ちノートを広げて手を動かす!

 

こういう問題を自分で考えて解くことができるようになってくると、きっと数学が面白く感じるようになるんじゃないかな。ぜひ、チャレンジしてみれください!

 

 

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問題を解けば終わり、答えが分かれば終わり、ではなく、問題を解く過程でたくさんの「なんだろう?」っていう疑問を見つけて、それを理解していく努力が勉強です。


そしてその「なんだろう?」を解き明かしたときの達成感を味わうのが勉強の醍醐味です!


ぜひたくさんの「分からない」を見つけて、それを「分かった!」に変えていく努力をしていってくださいね!

 


以上です。お疲れさまでした!
(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

 

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