生徒たちの「分からない」を取り上げて考えていきます。
解き方が分からない前提で「どんな風に考えて解いていくか」という過程を書いていくので、ぜひご自身でも解き方を考えながら読み進めてみてください。
今回は、とある中学の授業で出されたプリントからの出題、理科(2年、化学) の問題です。
昨日の記事(「分からない」を考えよう! #11)を読んで「分かった!」と思えたなら解ける問題です。
勉強は「分かった!」と思っただけでは終わりではありません。「分かった!」と思ったなら、それが本当なのかどうかを確認し「分かった!、ということを証明する」ところまでやってはじめて勉強したといえます。
本当に「分かった!」のか、「分かった気になった」だけなのか、その確認のためにもぜひチャレンジしてみてください。
(1)
グラフから必要な情報を読み取ります。
縦線と横線の交点を銅のグラフが通る場所を探すと、金属の質量 0.8g / 化合物の質量 1.0g の点を通っていることが分かる。
銅 0.8g が酸化し、酸化銅 1.0g ができているので、この値を整数の比に整理する。酸素の質量については特に考える必要はない。
銅:酸化銅 = 0.8:1.0
= 8:10
= 4:5
この比率を利用して銅 2.4g に対する酸化銅の質量を求めれば良い。
銅:酸化銅
4:5 = 2.4:x
4x = 12
x = 3
A. (1) 3.0g
(2)
これも先の問題同様、グラフから必要な情報を読み取ります。
縦線と横線の交点をマグネシウムのグラフが通る場所を探すと、金属の質量 0.6g / 化合物の質量 1.0g の点を通っていることが分かる。
マグネシウム 0.6g が酸化し、酸化マグネシウム 1.0g ができているので、この値を整数の比に整理する。酸素の質量については特に考える必要はない。
マグネシウム:酸化マグネシウム = 0.6:1.0
= 6:10
= 3:5
この比率を利用して酸化マグネシウム 3.5g の元になったマグネシウムの質量を求めれば良い。
マグネシウム:酸化マグネシウム
3:5 = x:3.5
5x = 10.5
x = 2.1
A. (2) 2.1g
(3)
銅と酸化銅、マグネシウムと酸化マグネシウム、それぞれの比率を元に考える。
銅:酸化銅 = 4:5
マグネシウム:酸化マグネシウム = 3:5
酸素については「十分に酸素と化合させ」と記載があるので、特に考える必要はないです。上記比率をそのまま質量と考え、銅とマグネシウムの混合物が 3.1g、酸化銅と酸化マグネシウムの混合物が 4.5g になるように考える。
ここからは分かりやすいように、
銅とマグネシウムの混合物 3.1g → 31g
酸化銅と酸化マグネシウムの混合物 4.5g → 45g
というように 10倍した値で考ることにします。
銅+マグネシウムが 31g (奇数) ということは、銅 (偶数) + マグネシウム (偶数) という組み合わせにはならないことが分かる。銅「4」は何倍しても偶数なので、マグネシウム「3」の方を奇数にするよう考える。
銅:酸化銅、マグネシウム:酸化マグネシウム、の比率をそのまま質量として、銅とマグネシウムの混合物 31g、酸化銅と酸化マグネシウムの混合物 45g になる組み合わせを探していく。
マグネシウム:酸化マグネシウム = 3g:5g
11倍すると 33g:55g → どちらも問題文にある値を超えるので NG
9倍すると 27g:45g → これだと酸化マグネシウムが問題文にある値を超えるので NG
7倍すると 21g:35g
→ (銅:酸化銅 = 4g:5g) を 2.5倍した (10g:12.5g) を混ぜ合わせると
31g:47.5g となるので NG
5倍すると 15g:25g
→ (銅:酸化銅 = 4g:5g) を 4倍した (16g:20g) を混ぜ合わせると
31g:45g となるのでこの割合で混ぜ合わせるのが正解!
となり問題文と合致する質量を求めることができましたね。31g と 45g は本来の質量を考えやすいように 10倍にした値なので、
銅:酸化銅 = 1.6g:2.0g
マグネシウム:酸化マグネシウム = 1.5g:2.5g
で混ざり合っていると考えることができる。よって元の混合物中のマグネシウムの質量は、
A. (3) 1.5g
いかがでしたか?
前回の記事を読んで、その問題を解く考え方をちゃんと理解できていたなら、今回の問題も解くことができるはずです。
解くことができないということは、残念ながら前回の記事の問題を「ちゃんと理解できていなかった」可能性が高い、ということになります。
最初にも書きましたが、「分かったと思う」ことがひとつの勉強のゴールではないです。「分かったと思ったことを、本当に分かったのか確認し証明する」ことまでやってはじめてひとつの勉強のゴールだと言えるのです。
問題が解けて分かったと思えたなら、必ずその類題を探してチャレンジするようにしてくださいね!
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問題を解けば終わり、答えが分かれば終わり、ではなく、問題を解く過程でたくさんの「なんだろう?」っていう疑問を見つけて、それを理解していく努力が勉強です。
そしてその「なんだろう?」を解き明かしたときの達成感を味わうのが勉強の醍醐味です!
ぜひたくさんの「分からない」を見つけて、それを「分かった!」に変えていく努力をしていってくださいね!
以上です。お疲れさまでした!
(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
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