「分からない」を考えよう! #12

生徒たちの「分からない」を取り上げて考えていきます。

解き方が分からない前提で「どんな風に考えて解いていくか」という過程を書いていくので、ぜひご自身でも解き方を考えながら読み進めてみてください。


今回は、とある中学の授業で出されたプリントからの出題、理科(2年、化学) の問題です。

 

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昨日の記事(「分からない」を考えよう! #11)を読んで「分かった!」と思えたなら解ける問題です。

 

勉強は「分かった!」と思っただけでは終わりではありません。「分かった!」と思ったなら、それが本当なのかどうかを確認し「分かった!、ということを証明する」ところまでやってはじめて勉強したといえます。

 

本当に「分かった!」のか、「分かった気になった」だけなのか、その確認のためにもぜひチャレンジしてみてください。

 

 

(1)

 

グラフから必要な情報を読み取ります。

縦線と横線の交点を銅のグラフが通る場所を探すと、金属の質量 0.8g / 化合物の質量 1.0g の点を通っていることが分かる。

 

銅 0.8g が酸化し、酸化銅 1.0g ができているので、この値を整数の比に整理する。酸素の質量については特に考える必要はない。

 

 銅:酸化銅 = 0.8:1.0

       = 8:10

       = 4:5

 

この比率を利用して銅 2.4g に対する酸化銅の質量を求めれば良い。

 

 銅:酸化銅

 4:5 = 2.4:x

 4x = 12

 x = 3

 

A. (1) 3.0g

 

 

(2)

 

これも先の問題同様、グラフから必要な情報を読み取ります。

縦線と横線の交点をマグネシウムのグラフが通る場所を探すと、金属の質量 0.6g / 化合物の質量 1.0g の点を通っていることが分かる。

 

マグネシウム 0.6g が酸化し、酸化マグネシウム 1.0g ができているので、この値を整数の比に整理する。酸素の質量については特に考える必要はない。

 

 マグネシウム:酸化マグネシウム = 0.6:1.0

                 = 6:10

                 = 3:5

 

この比率を利用して酸化マグネシウム 3.5g の元になったマグネシウムの質量を求めれば良い。

 

 マグネシウム:酸化マグネシウム

 3:5 = x:3.5

 5x = 10.5

 x = 2.1

 

A. (2) 2.1g

 

 

(3)

 

銅と酸化銅、マグネシウムと酸化マグネシウム、それぞれの比率を元に考える。

 

 銅:酸化銅 = 4:5

 マグネシウム:酸化マグネシウム = 3:5

 

酸素については「十分に酸素と化合させ」と記載があるので、特に考える必要はないです。上記比率をそのまま質量と考え、銅とマグネシウムの混合物が 3.1g、酸化銅と酸化マグネシウムの混合物が 4.5g になるように考える。

 

ここからは分かりやすいように、

 

 銅とマグネシウムの混合物 3.1g → 31g

 酸化銅と酸化マグネシウムの混合物 4.5g → 45g

 

というように 10倍した値で考ることにします。

 

銅+マグネシウムが 31g (奇数) ということは、銅 (偶数) + マグネシウム (偶数) という組み合わせにはならないことが分かる。銅「4」は何倍しても偶数なので、マグネシウム「3」の方を奇数にするよう考える。

 

銅:酸化銅、マグネシウム:酸化マグネシウム、の比率をそのまま質量として、銅とマグネシウムの混合物 31g、酸化銅と酸化マグネシウムの混合物 45g になる組み合わせを探していく。

 

 マグネシウム:酸化マグネシウム = 3g:5g

 

  11倍すると 33g:55g → どちらも問題文にある値を超えるので NG

 

  9倍すると 27g:45g → これだと酸化マグネシウムが問題文にある値を超えるので NG 

 

  7倍すると 21g:35g

   → (銅:酸化銅 = 4g:5g) を 2.5倍した (10g:12.5g) を混ぜ合わせると

    31g:47.5g となるので NG

 

  5倍すると 15g:25g

   → (銅:酸化銅 = 4g:5g) を 4倍した (16g:20g) を混ぜ合わせると

    31g:45g となるのでこの割合で混ぜ合わせるのが正解!

 

となり問題文と合致する質量を求めることができましたね。31g と 45g は本来の質量を考えやすいように 10倍にした値なので、

 

 銅:酸化銅 = 1.6g:2.0g

 マグネシウム:酸化マグネシウム = 1.5g:2.5g

 

で混ざり合っていると考えることができる。よって元の混合物中のマグネシウムの質量は、

 

A. (3) 1.5g

 

 

いかがでしたか?

 

 

前回の記事を読んで、その問題を解く考え方をちゃんと理解できていたなら、今回の問題も解くことができるはずです。

 

解くことができないということは、残念ながら前回の記事の問題を「ちゃんと理解できていなかった」可能性が高い、ということになります。

 

最初にも書きましたが、「分かったと思う」ことがひとつの勉強のゴールではないです。「分かったと思ったことを、本当に分かったのか確認し証明する」ことまでやってはじめてひとつの勉強のゴールだと言えるのです。

 

問題が解けて分かったと思えたなら、必ずその類題を探してチャレンジするようにしてくださいね!

 

 

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問題を解けば終わり、答えが分かれば終わり、ではなく、問題を解く過程でたくさんの「なんだろう?」っていう疑問を見つけて、それを理解していく努力が勉強です。

そしてその「なんだろう?」を解き明かしたときの達成感を味わうのが勉強の醍醐味です!

ぜひたくさんの「分からない」を見つけて、それを「分かった!」に変えていく努力をしていってくださいね!

 

 
以上です。お疲れさまでした!
(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

 

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