期末テストの英語で97点だった生徒の解答でこんな間違いがありました。
問題:次の日本語に合うように( )に適切な英単語を入れましょう。
あれはあなたの犬ですか。
Is that ( ) ( ) ?
この問いに ( your ) ( dogs ) と回答していたので、「何で複数形にしちゃったの?」と聞くと、「上の方の問題で I don't like dogs. という英文があって、それで dogs なのかなって思った」んだそうです。
ということで、この二つの文における dog の違いについて書いてみたいと思います。
まず、
あれはあなたの犬ですか。
Is that ( ) ( ) ?
この問題の答えは your dog ですね。主語が that で単数なので that が指す名詞 dog で単数になります。be動詞の文はbe動詞を挟んだ主語と名詞がイコールの関係になるんですよね。
次に、
I don't like dogs.
こちらは「私は犬が好きではありません」という意味の文ですね。犬が好きか嫌いか、という話題は普通はある一匹の犬を指して言っているのではなく、犬という生き物全般が好きか嫌いか、という話ですよね。なので dogs というように複数形で表現するんですね。
さて、ところで英語というのは名詞に a や the などの冠詞を付けるか付けないか、複数形にするかしないか、で大きくニュアンスが変わるのですが、中学生にはその区別が難しくてよく分からない子も多いと思います。
ですので少し例を挙げてみたいと思います。
I like dogs.「私は犬が好きです」
→犬という生き物全般が好きというときに使う言い方ですね。
I like a dog.「私は(ある一匹の)犬が好きです」
→犬という生き物全般が好き、というニュアンスは無くなって「この犬だけが好き」という感じ。
I like the dog.「私はその犬が好きです」
→この前にある特定の犬の話をしている流れで、その特定の犬を指して好き、という感じですね。
I like dog.「私は犬の肉が好きです」
→この文の dog のように、単数形の名詞の前に a や the の冠詞など何の限定詞もないと、それは必然的に「数えられないもの」を表すことになり、数えられない dog と言えば素材として意識されて「犬の肉」というニュアンスになるようです。なので「犬が好き」と言いたくて I like dog.
などと言ってしまうとネイティブの人は「犬の肉を食べるのか」と思ってかなりいやな顔をするかもしれません(^^;
パッと見、どれも同じように「犬が好き」と言っているように見えて、伝わる内容がかなり違ってくるのですね。
こうして冠詞の有無、複数形にするしない、でどんな変化があるのか、それが分かれば何となく冠詞や単数複数の扱い方も見えてくるのではないでしょうか(^^)
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